存在してても気づかれない。特に役にもたってない。それでも、元気にやってます。
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その日グランドでは野球部とラグビー部が活動していた。
練習に集中していた少年は、何かの気配に振り向いた。
野球部の友人達が懸命に走っていた。
その背後に、何か白いモヤのような霧のようなものが迫っていた。
野球部の友人達は、それから逃れるようにこっちに走ってきているのだ。
あれは・・・・?
「おまえら、逃げろーーっ!!」
コーチの叫ぶ声に、少年達は一斉に背を向け走り出した。
反射的にコーチの指示に従うものだ。
彼らにも、自分に迫る危機の気配が感じられた。
その気配は不気味な音と共に、背後に迫っていた。
次の瞬間、彼らはソレに飲み込まれていった。

彼らを襲ったソレは、突然の激しいにわか雨だった。

その頃、私は中央線に乗っていた。
西の空は真っ暗で、その下が白く煙っていた。
息子の学校の方向だった。
彼はどうしているだろう…
雨雲が電車に向かっていたのか、電車が雨雲に向かっていたのか、
間もなく私の乗った電車もスコールに突入していった。
あの時の雨雲の下、白く煙った中に彼はいたのだ。

「いいなぁ!雨と追いかけっこなんて、私もそんな経験したい!」
私の言葉に、彼は疲れた溜息を洩らした後、
泥と雨でグチョグチョになった部活着を私に放った。
毎年、枯れた街路樹を見る。
秋になると都の土木課の職員だろうか…枯れた木を掘り出し新しい若い苗に植え替えている。
私のマンションの前も3車線の道路が走り、広い歩道と車道の間にプラタナスの街路樹がある。
それぞれの根元には、誰が植えるのか菊やサルビアやアジサイなど様々な花が咲く。
マンション内にもプランターがあり、色々な草花が咲いている。
けれど枯れる事はない。
このマンションの管理を委託されている方が、お世話をしているのだ。
コンクリートに覆われたこの辺りでは、彼らは花木の命の恩人かもしれない。
シルバー人材の人もいるのか、今は年配の小柄な男性もいる。
彼は寡黙で挨拶をしても、少し首を傾ける程度だった。
でも、彼らのおかげでマンションは綺麗に掃除され、どんなに嵐でプラタナスの葉が吹き溜まっても、昼には綺麗に片付いているのだ。
そして、彼は花木の命の恩人なのだ。
感謝の表現として、私は挨拶をし続けていた。
いつの間にか、彼は私の挨拶時に笑顔を返してくれるようになった。
今日も彼は、花木に水をまいていた。
暑く照り返しの強い歩道のアスファルトや土の色が、マンションの前だけ濃い色に変わる。
焼けたアスファルトや土から、立ち昇る香りは夏の匂いだ。
そこだけ涼しい風が吹いた。

あの時、息子がグランドで嗅いだ匂いも、こんなふうだったのだろうか…

ふと、少女時代学校の教室から、雲の影が校庭を横切るのを眺めていた記憶がよみがえった。


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毎年、枯れた街路樹を見る。
秋になると都の土木課の職員だろうか…枯れた木を掘り出し新しい若い苗に植え替えている。
私のマンションの前も3車線の道路が走り、広い歩道と車道の間にプラタナスの街路樹がある。
それぞれの根元には、誰が植えるのか菊やサルビアやアジサイなど様々な花が咲く。
マンション内にもプランターがあり、色々な草花が咲いている。
けれど枯れる事はない。
このマンションの管理を委託されている方が、お世話をしているのだ。
コンクリートに覆われたこの辺りでは、彼らは花木の命の恩人かもしれない。
シルバー人材の人もいるのか、今は年配の小柄な男性もいる。
彼は寡黙で挨拶をしても、少し首を傾ける程度だった。
でも、彼らのおかげでマンションは綺麗に掃除され、どんなに嵐でプラタナスの葉が吹き溜まっても、昼には綺麗に片付いているのだ。
そして、彼は花木の命の恩人なのだ。
感謝の表現として、私は挨拶をし続けていた。
いつの間にか、彼は私の挨拶時に笑顔を返してくれるようになった。
今日も彼は、花木に水をまいていた。
暑く照り返しの強い歩道のアスファルトや土の色が、マンションの前だけ濃い色に変わる。
焼けたアスファルトや土から、立ち昇る香りは夏の匂いだ。
そこだけ涼しい風が吹いた。

あの時、息子がグランドで嗅いだ匂いも、こんなふうだったのだろうか…

ふと、少女時代学校の教室から、雲の影が校庭を横切るのを眺めていた記憶がよみがえった。

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【2007/09/22 12:42】 | boys&girls
トラックバック(1) |

確かに・・・
真昼
とても激しい雨だったので、反射的に「逃げろ!」とコーチは言ったのでしょうけど・・・。グラウンドは校舎と離れており、それだけの人数が雨宿りできるような場所があったのか疑問ですよねi-278

懐かしい・・・
れん
雨が自分の方へやってくるのを、ただただ眺めて待っていた中学生の時を思い出しました。
「来た・・・来た・・・来たーー!」って感じで(笑)
逃げる・・・っていう気は起こらなかったな。
根が呑気なんでしょうか(笑)

なんだか映画のワンシーンを見ているような気になりました。
不思議な気分です。
ありがとう・・・おやすみなさい・・・。

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コメント
この記事へのコメント
確かに・・・
とても激しい雨だったので、反射的に「逃げろ!」とコーチは言ったのでしょうけど・・・。グラウンドは校舎と離れており、それだけの人数が雨宿りできるような場所があったのか疑問ですよねi-278
2007/09/23(Sun) 16:03 | URL  | 真昼 #-[ 編集]
懐かしい・・・
雨が自分の方へやってくるのを、ただただ眺めて待っていた中学生の時を思い出しました。
「来た・・・来た・・・来たーー!」って感じで(笑)
逃げる・・・っていう気は起こらなかったな。
根が呑気なんでしょうか(笑)

なんだか映画のワンシーンを見ているような気になりました。
不思議な気分です。
ありがとう・・・おやすみなさい・・・。
2007/09/22(Sat) 23:37 | URL  | れん #-[ 編集]
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2007/09/22(Sat) 12:47:09 |  プレサーチ
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