存在してても気づかれない。特に役にもたってない。それでも、元気にやってます。
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小説を読んでいるので、イメージがあうか心配だった。
母親役のりょうさんは、イメージにぴったりあっていた。
同じように本を読んでいた二女も、ぽろぽろと泣いていた。

ジャムをおばあちゃんと作る場面がある。
子供が小さかった頃、父が知り合いの農家に頼んでくれて、ビニールハウス内でのいちご摘みをさせてもらっていた。
子供達がたくさん取った苺は、母がジャムにした。
私も妹も、子供達が小さかったので手伝わなかった。
父の闘病が始まり、そんな事もなくなった。
母のジャムは、夫もお気に入りで実家に帰るとかならずもらっていた。
あれ以来、母はジャムを作らない。
食べてくれる人が、いなくなったからだろう。
母と一緒にジャムを作ればよかった。

母は、老いた。
しっかりしていた親を持つ人ほど、親の老いが受け入れがたいという。
かなり前になるが、兄から仕事場に母の様子がおかしいと連絡を受けた事があった。
あわてて実家に帰ると、母は記憶障害を起こしていた。
妹はたまたま来れず、私と兄と甥は愕然とした。
兄と甥は、私に母を任せて中庭をはさんだ自宅に帰った。
私は母と、一晩を過ごした。
翌日、どう母を医者に連れて行けばいいか・・・・悩みながら。

翌朝起きると、母はけろっと普通になって朝食の用意をしていた。
忙しい私が、単身で帰省して自分の隣で寝ていた事に疑問を感じながら。
そして、昨日の記憶が一部失われていた。
事情を話すと母は、病院へ行く事を承諾した。
原因は、脱水症だった。
暑い夏の事だった。

もう一度行く病院の付き添いは、後から駆け付けた妹に頼んだ。
妹は、記憶障害を起こした母を見ていない。

しっかり者だった母も、老いが確実に訪れている。
メリーゴーランドのように、同じ話を繰り返す事もある。

私は、あの暑い夏の日を思い出す。
あの晩、私と兄と甥は、母が戻らないのではないかと恐れた。
おおざっぱな兄すら、暑い夏日には母を気遣うようになった。


母は、その後一度もそのような事はない。


母の老いを感じる時、私はあの暑い晩の事を思い出す。
母の老いを、受け入れられる自分でありたいと願う。

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【2009/05/09 09:54】 | 記憶のかけら
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