存在してても気づかれない。特に役にもたってない。それでも、元気にやってます。
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二女の携帯には、バイト中に友人から着歴とメールが複数あった。

それは、大学の男友達の一人だった。
彼の父は、彼が中学生の頃からアルツハイマーになった。
その父が衰弱し、いよいよ危険であるという。
二女には仲の良い男友達が多い。
その中でも、もっとも陽気な彼が、まさかそんな環境で育っていたとは、おそらく誰も知らなかったろう。
娘は、即刻実家に帰るべきだと言った。
しかし、彼は行こうとしない。
彼は、父親を心から尊敬していた。
その父は、今や息子である自分の事すらわからない。
会いに行ってどうなるのだろう。
これ以上、尊敬する父の記憶に、悲しい記憶を上塗りしたくないらしい。
娘は、それでも説得する。
「お父さんに会わせたいというだけではないんじゃない?
お母さんや弟さんが、あなたを必要としているんじゃない?
そばにいて欲しいんじゃない?」

彼が行ったかは、不明。
二女との電話の最中に、心配したのか男友達が訪ねてきたとかで、電話を切ったから。
でも、私に相談する娘に、私は以下の事を言った。

父を看取った後、父を思い出す時に最後の光景を思い出し、胸が締め付けられる思いをしばらくした。
子供達が立ち会えなかった事を、かえって良かったかもしれないとも思った。
元気な父の姿だけを記憶に残してほしいから・・・。
でも、年月が立ち・・・今、父を思う時。
父は、若く元気な姿で瞼に浮かぶのだ。
家庭を愛し、子どもを愛し、孫を愛した。
父を、娘として母と妹と見送れた事を幸せに思っている。

彼は、行くべきだと思う。
お父様は、彼をわからないかも知れない。
でも、彼はわかるのだ。
彼は、彼自身の為に行くべきだと思う。
しっかり、最後を見とどけるべきだと思う。
最後を、家族とともに見送るべきだと思う。
お母様が、子供達が、お父様をどう思われていたのか。
そこに、お父様の彼の知らない人生がある。
夫婦とは、親子とは、家族とは、なんであるか・・・・。

どんなに悲しいお別れでも、いつかきっと最後にそばにいられた事を良かったと思えると思う。
家族は、共に泣いて共に苦しんで、共に生きて共に歩いてゆくのだから。

ただ・・・そばにいて欲しい。


私は・・・そう思った。


大切な事だからこそ、思い出は美しいままにしたい。
大切な事だからこそ、ちゃんと見とどけたい。
人によって、選択は違うかもしれない。
でも・・・・、私は後者かもしれない。


「もし私が、あなたの事をわからなくなっても、私に会いに来てね。」
私がそう言うと、次女は
「もちろん!」と笑った。

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【2009/05/30 22:17】 | 記憶のかけら
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